2006年12月18日(月)12:13

EU議長国フィンランドはEU憲法救済を有望視

ブリュッセル(AP)

EU議長退任を控えたマッティ・ヴァンハネン首相は、この数ヶ月間で欧州憲法の行方について合意の見通しが高まったとの見解を表明した。「私たちの議長国任期中に雰囲気が変わった」と、来年1月から議長国をドイツに引き継ぐフィンランドのヴァンハネン首相は語った。首相は月曜日欧州議会で6ヶ月間のフィンランドの議長任期の総括を発表した。

憲法について「きわめて多くの検討」が行なわれる状況が戻ってきたとヴァンハネン首相は述べた。しかし一方でEUがジレンマに立っていることも認めた。「私たちはEU憲法条約を拒否した国に対して、再度現行の形で提示するわけにはいかない。」フランスとオランダは昨年の国民投票で憲法条約を否決している。

しかしヴァンハネン首相は交渉の仕切り直しには警鐘を鳴らした。「憲法条約をばらばらに解体することは真の解決にはならない。」中でも憲法条約に盛り込まれた機構改革が難産の末の妥協に基づくことをあらためて指摘した。ヴァンハネン首相はドイツ政府が憲法議論で進展を図るとの期待を表明した。「私たちはこれからドイツにバトンを渡す。」

ヴァンハネン首相は、議長任期中に中心的な改革を前倒しできなかったことに対して失望を表明した。EUの司法および安全保障政策における加盟国の拒否権の廃止である。「司法協力における全会一致の規定が進展を阻んでいる」と首相は訴えた。この分野への多数決決定の導入にはとりわけドイツなどが強く抵抗していた。ドイツ政府は反対の理由として、EUは憲法の再生に集中すべきであり、その中の一部を前倒しすべきではないと主張している。

議長任期を終えるヴァンハネン首相は、EUとロシアの新たな協定の交渉が開始できなかったことにも遺憾の意を表明した。この問題ではポーランドがロシア政府との貿易紛争を理由に協議の開始を阻止している。ヴァンハネン首相は、「私たちは貿易・エネルギー関係の確たる基盤となる強力な協定を必要としている」。もしEU全体とロシア政府との間で新たな条約が成立しなければ、「ロシアは個々のEU加盟国を互いに競わせる立場に立つだろう。うまく切り抜けられる国もあれば、締め出される国も出てこよう」と警告した。

先週の首脳会議で行なわれた、今後のEU拡大の進め方に関する議論については、ヴァンハネン首相は満足の意を示した。「加盟申請国はEUの求める多くの条件を達成」せねばならないことが明確に示された。だが一方でEUが「新規加盟国に対して開かれている」状況に変わりはない。どの扉も閉ざさず、またEUの最終的な境界も決めないことがフィンランド政府にとっては重要であったのだ。「私たちは人工的な境界を必要としない。EUの境界は地図によるものではなく、価値によって決められるのだ」、とヴァンハネン首相は語った。

原題:EU-Ratspraesident sieht gute Chancen fuer Rettung der EU-Verfassung




トップへ戻る